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肥料をあげるという事(私見)

こんにちは~♪

 

今日は午前中は雨だったので農作業はお休みです。明日は種まきの予定だったけれども、種の到着が遅くなりそうなので、ニンニクの草引きをする予定です。

 

で、朝からごろごろ、昼からもごろごろするわけにもいかんので、普段考えている「肥料をあげることは野菜にとってどういうことか」というのを、ブログに書き留めたいと思います。この考えがあるから、自分にとっての元肥の量、追肥のタイミング、量の決め方がぶれません。

 

まず、肥料を施す云々をいう前に、自分が育てたい野菜はどういうものか、というのを十分に認識しておく必要があると考えています。レタスやキャベツなどの葉物なのか、人参やゴボウなどの根菜なのか、キュウリやスナップエンドウなどの実物なのか。さらに、その栽培期間の長短や結球するなどの形態の変化があるかどうかなどの栽培過程の特徴も理解しておかないといけません。

野菜すべてに言えることは根っこがあるということです。言わずもがな、根っこは養分を吸収する器官で、その発達いかんで野菜の成長が左右されるといっても過言ではありません。

元肥は栽培前に圃場に施す肥料のことを指しますが、その大きな役割は「根付きを促進させる」ことにあると考えています。生育初期の植物は肥料に敏感ですから(場合によれば肥料焼けも起こしうる)、元肥は比較的濃度が薄く設定したものといえるでしょう。

2か月ぐらいの栽培ならば元肥だけで栽培は可能かと考えています。葉物のレタス、ほうれん草、水菜はその例です。施した元肥は1か月ほどで抜けていきますが、あとは成長した葉が光合成でエネルギーを生産し自己成長します。またその方が肥料をあげて無理やり成長させたものと比べえぐみが少なく、甘みが乗ったおいしい野菜が出来上がります。

実物は根っこ物は葉物とかと異なり、実、根(茎)の充実という大きな形態変化のイベントがあり、より多くのエネルギーを使います。そのため、追肥が必要になってくると考えています。キャベツは結球という大きなイベントがあります。このイベントを乗り越えるために追肥で外葉を育てるということを定植から3週間から4週間のちにしなくてはなりません。結球した部分では光合成は行えないため、大きくさせた外葉でしっかりと光合成してもらうのです。たくさんの実をつけてほしいキュウリには、1週間に1回と頻回に追肥しなくてはなりません。

 

早生たまねぎを例にとると、元肥で根を充実させ、1回目の追肥で葉の成長を促す、そして2回目の追肥で株の成長を最大にし玉の充実も促すといった具合です。その追肥時期は、玉ねぎの成長スイッチが入る日長に関係しているかもしれません。肥料をあげるタイミングというのは、その野菜が今まさに成長するときに、エネルギーを与えてアシストすることなのです。そこには明確な「意味」があるのです。ただ人間の勝手都合で「大きくなってほしいから」は作物にとって何の意味もありません。その追肥の多くは予期せぬ現象、例えばとう立ちや肥料焼けなど、を招き減収につながったりするものです。

作物の成長が悪いときは、なぜ悪いかを考える必要がありますが、肥料切れか?と考えたときは、その次に土壌に肥料分が残っていないか?を考える必要があります。普通の化成肥料ではマルチに有無にもよりますが1か月から2か月。有機肥料ならば3か月ほどと考えています。定植から1か月もたたないうちに成長が悪いと考えたときは元肥が効いているのでその原因は肥切れではないでしょう。他の対策を考えなくてはなりません。

お恥ずかしい話かもしれませんが、追肥のタイミングなどは殆どが教科書に頼っています。培ってきた栽培方法ではずれがほとんどないからです。ただ、それだけでは、対処できないイレギュラーパターンもあります。

セロリのマルチ栽培は3か月肥効が持つ緩効性肥料を全量施すのが通常で追肥は必要ありません。しかし、今回当Farmのセロリ栽培では追肥を行いました。それはこの猛暑の中、成長が大幅に遅れ、本来ならば定植2か月ごろの盛んに成長する時期が3か月後のちょうど肥料が切れる時期にずれ込んだからです。セロリの成長を見ると成長の兆しが見られたものの、肥切れの時期だったので追肥を行ったという具合です。結果、今のところ雨のおかげもあり順調に成長しています。

と、こんな具合で元肥、追肥を考えています。肥料をあげることは何らかの作物にとっての「意味」があって、その意味がない以上は肥料はあげなくてよいはずなのです。育てている作物のことを知ると、元肥の意味や追肥の意味が見えてきます。栽培の醍醐味が広がります。

私見でございますが💦

長文にお付き合いくださいましてありがとうございましたm(__)m